トレジャー暗黒時代、1997 1/12 '56 FLASHSIDER
先月で黄金期と呼ばれている1996年までが終了しました。
今月より、トレジャーハント暗黒時代へ皆様を誘います。
最初に登場するモデルは・・・、
1997 TREASURE HUNT SERIES NO.1 ” '56 FLASHSIDER ” ・・・、
デビューは1992年、トラックということがコレクターに受け入れられ、
様々なところから特注リリースが相次ぎ、
遂に1997年、トレジャーハントとしてリリースされるにいたりました。
華やかなリリースが予定されていたはずが、見ての通り、色は濃い目の緑のみ・・・!
そこには、ある理由から、このような情け無い形でのデビューになってしまったのです・・・。
ホットウィールのベーシックラインは、カードにも示されているとおり(3歳児から)、
元々が子供のおもちゃ、楽しく遊んでもらうほかに、ちょっとした蒐集の楽しさも味わってもらおうと、
普通のモデルの中に「お宝」のようなモデルを潜ませたもの・・・、
それが、トレジャーハントの始まりです・・・。
1995年より開始され、翌1996年まで、確かに蒐集の楽しさは伝わりました。
しかし、メーカーの思惑とは裏腹に、曲がった方向に伝わってしまったのです・・・。
大人たちの参入・・・、そして買占め・・・!
子供たちにミニカーの面白さ全般を体験してもらおうと、
取り入れたこのシステムに、大人たちが大挙侵入!
最初の意図からかけ離れ、トレジャーハントが肝心な子供達の手に入らなくなってしまいました・・・。
1995年のリリース当初から見られたこの騒動、
翌1996年になっても収まらず、逆にひどくなる一方・・・、
マテルは、遂にある決断をしました・・・!
魅力の無いトレジャーハント作り・・・、
何の装飾もなく、普通のホイール・・・、
見た目、単なるリペイントモデル・・・、
ここにトレジャーハント暗黒時代が始まりを告げることになるのです。
あえてそのステータスを落とし、トレジャーハントとしての魅力を無くすことによって、
大人たちの手から、子供達の手へホットウィールを取り戻そうとした手段が、
この暗黒時代への入り口になっていきました。
メーカーの思惑通り、トレジャーの人気は暴落!
子供達の手に戻っていったのですが、
結局、コレクターのホットウィール離れをも加速させた事件になっていくのです・・・。
この辛い時代は1999年まで続きます。
コレクターもさることながら、メーカーも考えされたこの暗黒時代、
今後のモデル紹介に伴いながら、検証していきたいと思います・・・。
モデルの方は、あまりにも一般化されてリリースされたため、
子供たちによるブリバリが相次ぎ、カード付のままの状態、
いわゆる完品が少なく、今になってその希少性から、相場が上がってきております・・・。
価値を下げるためにリリースされたトレジャーが、
その後の予想された行為により、逆に価値が上がる・・・、
なんとも皮肉な結末ですね・・・。
(これが人生って奴か・・・!)
明日も月一企画です。
今度の提供は「赤線倶楽部」・・・。
どんな車種が登場するのか・・・?
明日をお楽しみにー!